何を目指しているの?
私は、観光舟運航のために40年近くもここで暮らしている白鳥を犠牲にするのは間違っていると思い、今年、市長に訴え続けた。得られた回答は「観光客が喜んでいるから続ける」という観光課からのものだった。「白鳥を大切にしてほしい」という訴えは他の人たちからも寄せられたと聞いている。いろいろな試みを経て、今は白鳥と観光舟の共存を目指す形になった。
その観光課の課長が「今年は中堀のライトを増やし、より幻想的な演出になっている」とのんきなことを言っている(東奥日報 2019年10月18日)。これでようやく分かった。白鳥との共存を願って努力しているのは公園管理者と船頭さんや観光舟の係の人(つまり、現場で頑張っている人たち)だけなのだ。観光課で机に向かっている人たちにとって、中濠に生きる者たちはどうでもいいことのようだ。
それで、彼らはいったい何を目指しているのだろうか?
インターネットで調べると、カンムリカイツブリの姿は多様である。このマダムはカンムリカイツブリに一番近いと思うが、はっきりしない。
弘前公園は観光の波にもまれているけれど、こんなに可愛らしい生き物が立ち寄ってくれるから、まだまだ良いところが一杯あると思う。
訪れる人が求めるものは、この普段の風景なのではないか?
朝、博物館側に1羽の親カイツブリがいた。その他の家族は見つからない。
午後、辰巳櫓付近に元気な鳴き声が響いていた。親と1羽の子供が一緒に潜ったりしている。その他の子供たちは見つからない。しかし、観光課が中濠を荒らす前に、子供たちがある程度成長したことは良かった。