大切なココへ
「厳冬」
年末年始に連続的にやってきた寒波のため、公園は雪と氷の世界になっている。
融雪水が流れ込んでいるおかげで、西濠のボート乗り場付近にかろうじて水面が広がっている。ここが水鳥たちが越冬できる唯一の場所である。
人間たちも厳しい寒さと降り続く雪で大変ですが、あなたたちもなんとか生き抜いてください。
「大切なココへ」
あなたが亡くなって2年が経ちますね。
あなたは今でもいろんな人の心の中にいます。杉の大橋では、「白鳥がいなくなって寂しい」と女性が言っていました。石橋では「白鳥を思い出すから、中濠を眺めることができなくなった」と男性がつぶやいていました。夫と私は、石橋から「ココ~、ココ~」と呼びかけています。きっと、他の誰かも「コブちゃ~ん」とか「隊長~」とか「シロちゃ~ん」とか「さくらちゃ~ん」とか、呼びかけていると思います。聞こえますか?
40年以上にもわたり、公園を訪れる人々を癒やしてくれました。カルガモやカイツブリたちにとっては頼れる存在だったと思います。亡くなる頃、あなたは疲れ果て、全身傷だらけでしたね。あの頃のことを思い出すと切なくて辛いです。でも、あなたは最期まで精一杯生きていたことをちゃんと覚えています。
亡くなる5ヵ月前の真夏の頃の写真を載せておきます。
どこかで、この厳冬の中で暮らしている公園の生き物たちを見守っていてください。よろしくお願いします。
あなたに出会えて、本当に良かった。
爽やかな冬の日
「冬の青空」
冬至に向かってどんどん日が短くなる中、青空が広がってくれると、お日様はありがたいな~と思う。
分かりにくいけど、めずらしく、中濠にカワアイサ(写真中央に見える白黒のテンテン)とダイサギ(写真右端で雪と同化している)がいる。
冬毛をまとったカワウ。カワウの羽根はあまり水をはじかないらしく、翼を広げて乾かしている姿をよく見かける。この冬毛はきっと大丈夫だと思う。
「西濠」
お日様はありがたいね~・
久しぶりにカワセミに出会う。いつもよりマシな写真が撮れてうれしい。
大抵は黒く見えるオオバンの目がお日様に照らされて赤く光っている。黒と白と赤・・・粋なおしゃれさん。
2羽のカイツブリが離れたりくっついたりして、ぐんぐん泳いでいた。あと少しで西濠の大半は氷で被われる。それまで、西濠にいてくださいね。
このカップルは仲良しのようだ。いつも一緒にいる。雪が降っても2羽の間は暖かい。
厳しい冬は始まったばかり。みんな、なんとか生き抜こうね。
冬の訪れ
子福桜は秋から冬と春に2回咲くらしい。北の郭の花は10月末頃から咲き出した。雪が降ってもまだ花の数が増えているように思う。
公園を毎日散歩し始めて3年目。まだウサギに出会ったことはない。雪が降ると、彼らがちゃんと暮らしていることを知れる。
桜はすっかり葉を落とし、西濠の両側から華やかな色が消えた。空もどんより。でも、この景色も味わいがある。
遠くに水鳥たちがいる。
葉を落とした垂れ桜。細い流れるような曲線のせいかな?ちょっといい感じ。
本丸から北の郭に降りるところの内濠にスマイルマークが浮かんでいた。ニコ~!
雪吊りの頭飾りも冬の散歩の楽しみの1つ。これまでのところ、スマイルマークの他に、カタツムリ、虎、鶴・亀、門松、土偶のしゃこちゃんみたいなもの、などを確認。作業は続いているからもっと増えそう。
「西濠の仲間たち」
あなたたちがいるおかげで公園の豊かさが増しています。
ありがとう。
蔦と落ち葉
「仲間たち」
久しぶりにオシドリに会った。昨日と同じ個体かな?お飾りを減らして、これから南に向かうのかもしれない。
一時期は7羽もいた青年カイツブリは、最近2羽になった。けっこう仲良しみたい。兄弟か、運命の相手か、雄なのか雌なのか・・・。
カルガモとダイサギが枯れたヨシの上をゆっくり歩いている。
あいかわらず、ご立派なくちばしです。
バンが南へ旅立った頃、オオバンが北からやってきた。去年、西濠で越冬したカップルかな?
いつも強そうな雰囲気だけど、こっちを向いたお顔は愛嬌がある。
「蔦の紅葉」
西の郭にはイチョウの大木が2本ある。本丸から西の郭を見下ろしたら、長坂から2本目のイチョウのてっぺん近くまで、蔦が赤い線となって上へ上へと登っている。
中濠付近の桜が葉を落とすのはちょっと早めだったかな?その分、蔦の紅葉が目立っている。
「落ち葉」
こんなにたくさんの葉っぱを落としてくれた。さくさくの落ち葉の絨毯を歩けるのはなんて幸せなんだろう。
秋のひととき
「西濠」
北からやってきた水鳥(ヒドリガモ、カワアイサ、コガモ、マガモ、名前が分からない鳥)、これから南に向かう水鳥(カイツブリ、バン)、ここにいつもいる水鳥(カルガモ)が西濠で一緒に秋のひとときを過ごしている。
「ピクニック広場」
人が人を呼んで結局8人もの人間がすぐ近くで観察しているのに、全く気にする様子がない。どうやら2羽だけの世界に浸っているみたい。
私たちは2羽の姿から幸せをもらって嬉しかったのだけど、マナーはどうだったかな?少し騒ぎすぎたかもしれない。ごめんなさいね。
「中濠」
中濠はすっかり秋色。
少し前まで石橋の南側に親カイツブリと1羽の末っ子が一緒にいたけど、最近は姿がみえない。去年は親カイツブリが11月末頃まで中濠にいた。子どもは巣立つと思うけど、親はもみじ祭りが終わったら戻ってきてくれると期待している。
石橋の北側にいた1羽の青年カイツブリの姿もない。西濠に移動したかな?
「本丸」
2本の背が高いイチョウの間に薄雲をまとった岩木山がかすかに見える。
この秋のひとときに感謝。
寒くなってきて・・・
「まるまるバン」
子どもたちはみんな巣立って、夫婦だけになった。寒くなるにつれ体が丸くなってきたようだ。
三角池に最後に残っている1羽の子バン。寒いのだろうな。風船みたいに体を膨らませている。この子の父母は工業高校前の池にまだいるようだ。今年はすこし旅立ちが遅いように感じる。
「子カイツブリの成長」
中濠のカイツブリご一家の最後の1羽の子カイツブリは甘えん坊さんのようだ。親から離れたくないみたい。でも、この子もそろそろ巣立つはず。今朝(10月21日)、石橋から遠く離れたところで、親が見守る中で飛ぶ練習をしていた。
中濠の石橋の南側と北側には段差があって、水は滝のように北側に流れ落ちる。最近、この北側の濠に2羽の青年カイツブリが姿を現した。この濠にカイツブリがいるのは、覚えている限り初めてのことである。この2羽は水流にまかせて南側から北側の濠に転落したのかもしれない。
北側は日当たりが悪く、子どもが成長するには好ましくないと心配したけど、どうやらあと少しで飛べそうだし、元気そうだから、大丈夫だと思う。
北側ではここ数日は1羽だけしか確認できない。もう1羽は西濠に移動したのかもしれない。この場所はますます日照不足になるから、君もできるだけ早く西濠に移動してね。
その西濠では・・・
10月20日に5羽、10月21日に3羽の青年カイツブリを確認。それぞれに飛ぶ練習をしたりしている。
ボート乗り場の南側には岩木川から水が流入するところがある。この日(10月19日)、落ち葉がたまっていたその流入口で・・・
1羽の子カイツブリが流入口の囲みを乗り越えて中に入り、潜ったり出てきたりを繰り返していた。ボート乗り場の南側は浅瀬だけれど、ここだけはけっこう深いはず。ちょっと心配。でも、好奇心旺盛で生きているのが楽しくてしかたがないみたい。生まれてきて良かったね。
「ありがたき公園」
寒くなるにつれ、これからいろんな渡り鳥がやってくる。
朝日が差した瞬間、中濠に霧が立ち始めて、すぐ消えた。
夏から初秋にかけてアオコが広がっていたこの濠は、水がすっかり澄んで、少しずつ秋色になってきた。
弘前公園には大げさなライトアップや装飾はいらない。そのままが一番魅力的だと思う。