弘前公園に住んでいる白鳥

ココは弘前公園に40年近く住んでいたコブ白鳥です。桜ちゃん、シロちゃん、ガー子、コブちゃん、スーちゃん、隊長などたくさんの名前を持っていました。このブログにココの最後の約半年間(2019年8月2日~2020年1月5日)の毎日の様子を記録しました。ココが旅立った後、ココの思い出とともに公園に今生きているものたちについて記録していきます。

去年の桜祭り中のココ

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丑寅櫓付近(2019年4月28日16:22)

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石橋の北側(2019年5月1日6:59)

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石橋の北側(2019年5月2日7:03)

去年の今頃、初めてデジタルカメラを購入して、ココの写真を撮り始めた。ココは中濠の観光舟運航のために、石橋の北側に移されていた。移された当初、北側の濠は水位が低く、餌箱が置かれた石橋付近は浅瀬で泥水のような状態だったため、ココの白い体が茶色に汚れてしまった。4月に入り、岩木川支流の水門が開かれ、写真を撮り始めた頃には水量が増えてきて、ココは少しずつ白さを取り戻していた。

桜祭り100年目の節目にあたる2017年から弘前公園を観光資源として活用する政策が激化した。中濠の観光舟運航はその一つのイベントである。ココは、自分の縄張りに侵入してきた舟を攻撃したため、中濠を追い出されて、弥生いこい広場や植物園の檻に入れられた。去年は状況が少し改善され、桜祭りの期間は「北側の濠への移動」、そしてねぷた祭りと紅葉祭りの期間は「観光舟との共存」が試みられた。この試みの中で観光舟の船頭さんたちはココに十分注意を払っていた。おかげで、ココは舟の運行中も比較的穏やかに過ごしていたように思う。

ココ、今年の桜祭り期間もきっと観光舟と共存できたはずだったね。でも、あなたは旅立ってしまった。

今、公園はコロナウイルス感染防止のために完全に閉鎖されている。あれもこれもとなりふり構わず一人でも多く公園に押し込めようとしていた、ここ数年の観光政策とは対照的である。

これから私たちはコロナウイルスとともに生きていくことになりそうだ。人口の十数倍にもなる入場者数を自慢するこれまでの政策は変わらざるを得ないと思う。